オイルフィルターってどうなっている??【徹底】解説
ジェットに限らず、車やバイクなどでも
「オイルフィルター」は交換が欠かせない消耗品になっているかと思います。
今回は修理事例ではなく、ひたすらオイルフィルターにスポットを当てたお話です
ではご覧ください☟☟
メーカー別
オイルフィルターの特徴
エレメント交換式または内臓式【対象:SEA-DOO】
その名の通りエンジン内部にオイルフィルターを設置させてあります。
内臓式の為フィルターを塞ぐカバーには高い密封性が必要になり、SEA-DOO艇ではカバー側面に2種類の0リングが使用されています。この0リングは再使用不可の部品です。
カートリッジ式【対象:ヤマハ・カワサキ】
エレメント交換式とは異なり、エンジン外部にフィルターを設置させてあります。
ヤマハ・カワサキ艇ではオイルクーラー(エンジンオイル冷却部品)に取り付けられています。
また脱着には専用のフィルターレンチが必要になります。
※画像はヤマハ艇オイルフィルター
どちらもフルフロータイプに分類
内臓式・カートリッジ式とご紹介しましたが、どちらも内部にオイルをろ過させる為の濾紙が入っており、両者に大きな違いはありません。
3メーカーともエンジンから送られるすべてのオイルをろ過しているので
ろ過方式としてはフルフロータイプに分類されます。
オイルフィルターの役割・内部構造について
オイルフィルターは人間でいう腎臓!?
オイルフィルターはエンジンオイルの異物・カーボン・鉄粉などを取り除き
エンジンオイルをきれいな状態に保持しています。
エンジンオイルを血液と考えると、人間の臓器、腎臓が当てはまるのではないでしょうか
腎臓の中には血液をろ過するフィルターが何百万個と存在しているようです。なんとなく似ていますが、こっちのフィルターにはくれぐれも尿管結石だけは作らないように祈るばかりですね..
オイルフィルターの内部構造
ヤマハ艇のオイルフィルターを分解してみました。
カートリッジタイプのオイルフィルターは、分解できるような構造になっていないので、
ケースの上から切り込みを入れフタを剥がします。
内部はこのようになっていました☟
これさえ知ってれば大丈夫!2つの注目部品
【オイルエレメント(ろ紙)】
エレメント=オイルフィルターという認識は合っていると思いますが、エレメントはオイルをろ過している部品・濾過紙の事なんですね。もちろんこの部品のみ交換する事はできないのでカートリッジ式は一式交換となっています。
エレメントの特徴としてひだ折りに敷き詰められ多くのろ過面積を持っている事です。
では、このろ過面積、実際どれくらいなのか簡単に測ってみると・・
長さ1.7メートル 横幅6センチ ろ過面積0.102㎡
※個人的な計測結果となります。
手のひらサイズのフィルターに大人1人分の長さのエレメントが詰まっている!これが高いろ過能力を実現出来ているんですね。
【リリーフバルブ(逃し弁)】
オイルフィルターを長い間交換しなかった時など、エンジンオイル中の異物・不純物が溜まりエレメントが目詰まりを起こす可能性があります。
そんな時、一定の油圧が掛かった時にオイルの逃がし通路を開いてくれるのがリリーフバルブです。
オイルフィルターケース底部に付いています。
ただしこのバルブが開いて通るエンジンオイルは
エレメントによるろ過がされていない事になります。
エレメントの目詰まりでの不具合を回避できても、ろ過をしないオイルで回し続けなければいけないリスクも考えなければいけません。
その為、オイルフィルターの定期的な交換が重要になってきますね
補足・交換時期の問題について
最後に、各メーカーのオイルフィルターの交換時期を記載しようかと思いましたが、
これはやめました。
使用環境によって大幅にオイルの汚れ具合に差が出ることもあり、本当の交換時期は個々のエンジンによって様々になってしまいます。
ちなみにカワサキ艇のマニュアルでは、100時間毎に1度という記載がされていましたが、これを全国のカワサキユーザーの方が鵜呑みにしてしまったらホントに大丈夫なのかなと。。何か意味があるのか、それはまた調べたいと思います。💨
あとオイルフィルターのケース内やエレメントの吸ったオイルなどで大体100~500mlもの古いオイルが残っている事があるそうです。
エンジンオイルだけ入れ替えても、残った古いオイルが多く混同するほど、オイルの劣化も早くなるようです。
そういった意味でもエンジンオイル交換時にオイルフィルターはセットで交換するようにするのがベストでしょう!