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難関!?バルブクリアランス調整やってみました!

2017年10月12日 []

以前からコツコツと組んできたヤマハ艇のエンジンがあるのですが、
いよいよ作業も大詰めとなってきました。

いよいよ「バルブクリアランス調整」作業に入ります。

 

まずこのヤマハ艇ですが「Double Over Head Camshaft」=DOHCエンジンです。
 

カムシャフトが2つ付いているのが特徴で、吸気バルブ・排気バルブと別々のカムシャフトによって駆動されています。

このメリットとしては、カムシャフトとバルブのタイムラグが少なくなるので、高回転や高出力化を目指すエンジンに向いているそうです

デメリットとしては、部品点数が多くなり重たくなったりなど、、

あとちょっと作業者にも優しくないような!

 

まず、バルブクリアランスと言うのは
カムとタペットの隙間を規定数値になるよう調整する作業です。

画像も接触してるだろ!と感じますが、0.2㎜くらいちゃんとクリアランスはあります。

 

このクリアランスがなぜ重要になってくるかというと、エンジン始動時、吸・排気バルブは直接燃焼ガスを浴びている為、かなりの高温状態です。さらには金属で出来ている為、熱膨張によってバルブの全長が伸びてしまう可能性があるんですね。

そこを見越しての、規定数値のクリアランスが存在します。

 

簡単には、

バルブクリアランスが広すぎる=タイミングの遅れや、リフト量低下でパワーダウン。。

バルブクリアランスが狭すぎる=熱膨張でクリアランス0、圧縮漏れでパワーダウン。。

極端ですが、、笑

 

クリアランスを計測するのはシックネスゲージを使用します。

では、前振りが長くなりましたが、実際にやってみると、、

 

 

「ツゥるんッッ!」

 

この感触、サービス業界一般では
「羊羹を切る感触」
で通じるみたいですが、正にそんな感じです。。

 

で、もしクリアランスが規定数値と合わなければ、タペットを外して、数値の書かれた「シム」をクリアランスが合う適切なシムに交換すればOKです。

 

例えば、画像にある162のシムは厚さが1.62㎜という事です。

クリアランスを上げたかったら、シムを薄いものに。

クリアランスを下げたかったら、シムを厚いものに、と言った風ですね。

 

 

マニアックなことをダラダラと話してきましたが、ただ伝えたいのは、エンジン修理において

バルブクリアランス調整」と言うのは、綿密な計算で成り立つ重要な作業であると同時に、

実際この作業が一番楽しいんですよ笑