SEA-DOO艇 RXT-X300RS エンジン不動・エンジン修理!
SEA-DOO艇 RXT-x300Rs 2016年モデル
症状
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・ジェットを転覆させて復元はできたが、その約1か月後に症状発生。
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・クランキングはしているが、エンジンが掛からない。
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・スパークプラグが錆で固着していた(何とか外せた)
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・エンジン圧縮は3気筒とも2㎏/㎠以下と低く、中には圧縮0の気筒もあった(通常9~10.5㎏/㎠ほど)
検証:エンジン脱着・分解
オーナー様にご了承の上、さっそくエンジンの脱着・分解そして原因の特定まで進めていきます。
まず、エキマニを外して矢印の排気ポート内の様子をご覧ください。
見た感じでは吸排気ポート、ともにどっぷり海水が入り込んだ事が伺えますね。
次にその中央の燃焼室も見てみましょう☟
海水が燃焼室で急激に熱せられたのでしょうか、砂利のようになっています。
続いてシリンダーヘッドのバルブ☟
吸気側のバルブに赤錆が付着しています。海水という事で錆の進行も早かったようです。
エンジン圧縮が0㎏となっていた原因はこちらでした☟
トップ・セカンドリングが固着して縮まった状態となっています。
ピストンリングにはトップ・セカンド・オイルリングと3つのリングがあります。
役割は、燃焼ガスの漏れを防ぐシールだったり、焼き付き防止のためのエンジンオイルのコントロールだったりといくつかありますが、今回圧縮が0だったという事は、イラスト作りました☟こんな感じになっちゃうのでは・・?
圧縮した空気が下へ逃げる、すなわちエンジン始動時では燃焼ガスの漏れという事になり、
エンジンのパワーを生み出すことが出来ない致命的なダメージだと言えますね。
外したエンジン部品です☟
いつもの流れでは不具合部品の金額をお伝えしていますが、エンジン修理は交換する部品点数が非常に多くなりますので今回は割愛させていただきます。
ざっくりした金額では、同じエンジン修理でも大体30~100万近く費用に差が出ることもあります。とにかくバラしてみなければ正確な見積もりが出せないのが難しいところですね。
~おまけ~
エンジン組付け風景
エンジンの組付けについては、また機会がある時に詳しくお話させてください・・
飛び飛びですが、組付け工程の画像をお見せしていきます。
エンジン修理で一番多いのはやはり水没など、
何らかの原因でエンジン内部に水が混入したことでの不具合だと思います。
特に海水などは被害の進行も早いので、
トラブルが起きたときは速やかにお近くのショップに見てもらうようしましょう。