カワサキ艇 ULTRA310LX エンジン始動せずにフラッシング【危険】
カワサキ艇 ULTRA310LX 2017年モデル
症状
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・エンジンを掛けずにフラッシング(水通し)をしてしまった。
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・プラグを外してクランキングをすると、4番ホールから水が噴き出てきた。
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・レベルゲージで確認するとエンジンオイルが乳化していた。
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・↑の状態から、排気系統からエンジン内部に水が逆流したと思われる。
検証:乳化したエンジンオイルの対処
エンジンオイルの色は、新品では半透明な黄金色をしていますが、
使用するにつれて黒ずんだ色に変化していきます。
しかし、水没エンジンなど水とオイルが混ざり合うと白濁した色に変化します☟これが乳化です
この乳化したオイルは、オイル本来の性能を著しく低下させるだけでなく、
もちろん水と混ざっているのでエンジン内部の錆の心配も出てきます。
今回はこの乳化したエンジンオイルを複数回交換していき、
正常なエンジンオイルまで復旧する作業を行います。
ではエンジンオイルの色の変化をご覧ください☟
このモデルは4.5L抜ける計算なので、大体赤色の線を引いたラインの量です。
これだけみても約1.5L~2Lは水がエンジン内部に侵入したようです。
段々と色がエンジンオイル本来の汚れに変わってきていますね。
そして誠に申し訳ございません。残りの画像を取り忘れてしまいましたが、
計6回のエンジンオイル交換で、復旧作業無事完了しました。
結果:エンジンオイル交換×6 オイルフィルター交換
また状況によっては、スパークプラグの交換など勧める場合もございます。
エンジンの水没・オイルの乳化があった場合、
速やかにお近くのショップに見てもらうようにしましょう。
間違うと危険!?フラッシング手順の重要性
ジェットを所有したばかりの方だと、フラッシング手順どっちだっけ?
と悩まれた方もいるかと思います。
ですが理屈で考えればとても簡単なことです。
このフラッシング手順に関して言えば、
エンジンを掛ける=排気が出る。
と考えておけばOKです。
そして排気の【圧力】があれば、排気通路から水が逆流する事は無い
(イレギュラーな不具合を除いて)と考えておきましょう。
今回の事例、おなじみのイラストでご紹介させてください。
エンジンを掛けない=排圧が無い状態で水通しをすると、
排気系統にあるウォーターボックスに水が溜まり続けてしまいます。
いずれ溢れた水はエンジン側に侵攻して、
今回では4番シリンダーに水が多く侵入した結果となりました。
エンジン始動時、排圧は排気系統の水を外へ排出してくれているんですね
なので正しいフラッシング手順は、
ハイ(排気)→水→水→ハイ(排気)となります。
上級者向けの語呂合わせは
ハイボール→水割り→水割り→ハイボール。
これで行きましょうよ!